3つのモデルは、担当する仕事が違う

Googleの公式説明は、Gemini Robotics 2、Gemini Robotics ER 2、Gemini Robotics On-Device 2を区別しています。VLAは見た情報や指示を動作につなぎ、ERは手順を考えて実行の進み具合を確認し、On-Deviceはネットワークの制約がある場所で機体上の実行を目指します。[1]

人の仕事になぞらえると、何をどの順に行うかを決める役割と、実際に手を動かす役割の分担です。これは理解のための例えです。「頭脳が一つ賢くなった」だけで読むより、どの役割の改善かを追うと、ロボットのニュースが具体的になります。

名称主な役割提供状況の読み方
Gemini Robotics 2身体の行動を扱うVLA早期利用パートナー向け
Gemini Robotics ER 2手順の計画・進捗の理解公開の開発者向け利用経路あり
On-Device 2機体上で実行するVLA早期利用枠を案内

「分かった」と「できた」の間をつなぐ

例えば「水差しを下の棚へ片付けて」という指示では、物を見つける、近づく、つかむ、移動する、置くという工程が必要です。途中で物が動いた場合は、計画の修正や再確認も要ります。ER 2の公式記事は、映像から作業の進捗を捉え、行動モデルやロボットAPIを呼び出す仕組みを紹介しています。[2]

ここでいうAPIは、移動や腕の操作などを外部から呼び出すための接続口です。指示の理解と実行の間には、この接続が必要になります。一般のチャットに上手に答える能力だけで、個々のロボットが安定して働くとは判断できません。試験するなら、最後まで完了したかと、失敗後にどう復旧したかを別々に記録します。

端末上で動くことと、誰でも使えることは別

On-Device 2の公式ページは、ロボット機器上での実行を目的にした効率的なVLAとして紹介し、早期利用の登録を案内しています。[3] 「ローカルで動く」という説明は、モデルの実行場所についての話です。重みを自由に入手できるか、どの機材に対応するか、すぐ商用利用できるかは、それぞれ確認が必要です。

開発目的なら、まずER 2で何を試したいのか、実機の行動モデルまで必要なのかを決めます。画像から物の位置を説明する試作と、腕を動かす試作では、必要な構成が異なります。提供枠や開発者向け文書を確認する際も、モデル名を省略せずに見ると取り違えを避けられます。

作業を任せる前に、完了の定義を書く

モデルの比較を始めるなら、最初の課題を具体的な動詞にします。「部屋をきれいにする」では範囲が曖昧です。「指定した机上の物を、指定した箱へ入れる」のように対象と終点を示すと、どこで推論が必要か、どこから実機の操作が必要かを切り分けられます。これは試作を整理する例です。

次に、箱に違う物が入った場合、物が見つからない場合、人が物を移した場合の扱いを決めます。勝手に続けるのか、再確認するのか、人へ通知するのかで必要な仕組みが変わります。モデルの回答が自然かという評価に加え、実行する操作が指示の範囲に収まったかを確認します。

これにより、上位の推論モデルを更新する必要があるのか、機体の操作手段を整える必要があるのかが見えやすくなります。利用可能なモデルを先に選び、その後で任せる仕事を広げるより、具体的な作業と接続の不足を対応させる進め方です。

デモを見るときは、成功条件をそろえる

Googleは複数の身体や作業を使ったデモを公開していますが、それは各条件での開発成果です。自宅の物や職場の配置でも同じ成績になるという保証ではありません。比較するときは、機体、物の種類、試行回数、指示の範囲、人の介入を同じ粒度で確認しましょう。

編集部の見方(推測です):段取りを考えるモデルと身体を動かすモデルの連携が進むと、単一動作の成功だけでなく、長い作業の途中で誤りに気付き、戻れることの重要性が増す可能性があります。今後の発表では、華やかな動作に加え、完了の判定や復旧についての説明に注目したいところです。

よくある疑問

スマホのGeminiアプリからすぐロボットを動かせますか?

本記事で扱うのは開発者向けのロボットAIです。対応機体、制御系、モデルへのアクセスなどが必要で、一般のチャット利用とは別の構成です。

ER 2はロボットの関節を直接動かすモデルですか?

上位の推論や段取りを担い、低い階層のVLAや移動APIなどに実行を渡す位置付けです。具体的な制御構成は利用する機体に依存します。

出典・参考資料

公式公開資料を基に構成しています。メーカーが示す性能・実演は各社の発表であり、本メディアによる実機検証ではありません。価格・提供範囲は2026年10月24日の確認時点です。

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